こんにちは。
多摩川の河口近く、羽田と羽田空港敷地内を結ぶ弁天橋のすぐそばにある、五十件鼻。
多摩川と海老取川の合流地点に増水時の川の勢いを減らすための石の沈床があります。
それが五十件鼻(ごじっけんばな)です。
五十件鼻の沈床は「カメノコ」と呼ばれているそうです。
子どもの頃にここで遊んでいて、石の間に足が挟まって抜けなくなった、と男性が話していたのを聞いたことがあります。
この日は潮ががっつり引いてカメノコが露出しているばかりか、その周囲もだいぶ潮が引いていました。。
かつては多摩川上流から身元不明の水死体がここに流れつくことがあったそうで、慰霊のために無縁仏堂が作られました。
その無縁仏堂の先には羽田空港と新しくできた橋が見えます。
諸行無常を感じます。
潮が引いたおかげで羽田空港敷地内の公園からも干潟に降りていくことができました。
干潟に降りるとヤマトオサガニの巣穴があちこちにぼこぼこと開いています。
巣穴から出てきたヤマトオサガニが餌を食べていました。
泥の中の珪藻を漉して食べているのです。
すぐ目の前で蟹の食事風景を見ることができて貴重です。
大田区出身の小説家、小関智弘さんの小説「羽田浦地図」をドラマ化して、緒形拳が主演した同名ドラマの最後の方のシーンで主人公の妻が干潟に入ってどろどろになるのですが、場所はこの近くじゃないかと思っています。
ちなみに「羽田浦地図」のドラマのDVDは羽田図書館で借りることができます。
さらに河口のほうを見ると、新しくできた橋が見えます。
多摩川スカイブリッジと名付けらました。
多摩川スカイブリッジは羽田空港と川崎市殿町を結んでいます。
橋の向こうには京浜工業地帯が広がっています。
このところスマートシティという言葉も聞こえてきますが、スマートシティー構想は海外で実際に施行されたものの、住民の猛反対にあって結局は断念、撤退したという事例があります。
海外で廃止されたものが逆に日本に入ってくることはよくあることだそうです。
よく注視する必要がありそうです。